前回は遺言書の種類について触れましたが、今回は新設された法務局での自筆証書遺言保管制度のメリット・デメリットについて詳しく書きたいと思います。
まず、メリットとしては、次の点が挙げられます。
・遺言書を勝手に開封されたり、紛失する心配がない
・遺された相続人等の手続きが簡便になる
(家庭裁判所での検認手続が不要、財産を取得する相続人は他の相続人の同意なくして手続きが可能など)
・公正証書遺言よりの安価な手数料で申請できる(1件3900円)
・「遺言書保管事実証明書」を請求することにより、相続人や受遺者等が遺言書が保管されているかどうか調べることができる
・「遺言書情報証明書」を請求することにより、相続人や受遺者等が遺言書の内容の証明書を請求することができる
・遺言書保管所にて遺言書の内容を見て確認することができる
次に、デメリットなのですが、こちらは通常の自筆証書遺言と同じく、遺言書そのものが法定の要件を満たしておらず無効となる場合があるという点が挙げられるでしょう。
法務局に保管の申請をするのだから、法務局がしっかりと遺言書をチェックしてくれるのでは?と思われるかもしれませんが、法務局は遺言書の内容についてはチェックしてくれません。
なお、保管申請先については遺言者の住所地、本籍地、所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する遺言書保管所となっています。(要予約)
野口