農地を売買する場合は必ず農地法の許可を取らないといけません。法的効果が発生しません。
通常
①農地法の許可→所有権移転→分筆
②分筆→農地法の許可→所有権移転
のどちらかのやり方であれば所有権移転の際の許可証と登記簿が一致しているので問題ありません。
しかしタイミングがずれてしまうと
③農地法の許可申請→分筆→農地法の許可→所有権移転
となってしまい許可証の物件は分筆前で登記の物件は分筆後と齟齬が起きてしまいます。実体が変わらないので気持ち的には大丈夫だと思いますがなんかもやもやします。ほんと所有権移転は怖いです。過去には農地の売買で仲介が受理通知書(市街化区域だったので)持ってますと言ってたので疑いもなく5条通知書だと思っていたら当日4条通知書を持ってきたことがあり血の気が引いたことがありました。(事前チェックを怠りました(T_T))
いい思い出です。
そこで今回の件ですが色々先例を調べて以下のものにたどり着き意気揚々と申請して通りました。
農地はほんと精神すり減ります。
分筆登記後の所有権移転登記申請と農地法の許可書(登研369号)
《所有権移転登記(総説)》《添付書面(第三者の許可等)》
○要旨 農地法3条又は5条による許可申請をした土地につき、当該許可前に分筆登記をし、その後許可書を添付して分筆後の1筆の土地について所有権移転の登記申請があった場合、又は当該許可後に分筆登記をしその1筆につき所有権移転の登記申請があった場合は、いずれも受理して差し支えない。
▽問 農地法3条又は5条による県知事の許可申請をした後にその土地につき分筆登記をしその後に許可が下りた場合において、当該許可書を添付して分筆後の土地の1筆について所有権移転の登記申請があったときは受理できるか。
また、許可が下りた後に分筆登記をしその1筆につき当該許可書を添付し所有権移転の登記申請があった場合はどうか。
◇答 農地法3条及び5条の規定の趣旨からいえば若干の問題はあると思われるが、受理せざるを得ないものと考えます。